2003/1/20
三芳町立三芳小学校
埼玉県入間郡三芳町立三芳小学校「クリケット教室」活動報告
報告者 新田 絵里子
実施場所
埼玉県入間郡三芳町立三芳小学校グラウンド
実施日
2003年1月20日(月)
講師
松村謙一郎
指導者
新田絵里子
参加者
約30名×4クラス=約120名
4クラス(2年1〜2組、5年1〜2組)
EAT
Blair Leighton(NZ出身)
時間割
(1)指導者自己紹介(約1分)
(2)指導者実演によるルール説明(約15分)
(3)児童達による「ペアーズクリケット」(約30分)
実施経緯
Mr. Blair Leightonより斎田直明氏(JCA理事)経由で、小学校でのクリケット指導依頼が2002年末にあった。その後、RCAスタッフがメールや電話により、小学校の様子聞き、指導内容を相談した。


【指導内容】
(1)指導者自己紹介(約1分)
(2) 指導者実演によるルール説明(約15分)
 ア.打撃部門
 (ア)打者の呼称「バッツマン」の確認
 (イ)担任の先生の助力を得て、以下の項目について野球との比較解説
  a.打者の目的
  打球を遠方へ飛ばす打撃ではなく、「ウィケットを防御する打撃」を心がけさせる。
  b.打撃の方向
  打者は「自分を中心にして360度、どの方向にも打撃ができる」ことを認識させる。
 時点、6人制であれば5人がアウトとなった時点)で実施される」ことを認識させる。
  c.得点方法
  明確な意思表示(「Yes」「No」の大きな掛け声、身振り)により、得点時の「パートナーシップの重要性」を認識させる。
 イ.投球(守備)部門
 (ア)投手の呼称「ボウラー」の確認
 (イ)EATの助力を得て、野球との比較解説
  a.投球の目的
  ボールを(打者の腰位置程度の高さしかない)ウィケットに当て打者をアウトにするため、力強い投球ではなく「丁寧なワンバウンド投球」を心がけさせる。
  b.投球の方法
  投手の打者に対する投球は「肘を伸ばさなければならない」ことを認識させるとともに、打者に対する投球時に投手が肘を曲げて投球した場合には、「違反投球(*)を宣告され打撃側に1点付与される」ことを認識させる。  *「ノーボール」と呼称される。
(3)児童達による「ペアーズクリケット」(約30分)

 プログラム終了時には、「イージークリケット」シール交付(各児童1枚)及びクリケットポスター付与(各クラス1枚)。

【総括】
 冬の寒空の下、昨晩の降雨による最悪のグラウンド状態の悪い中でのクリケット指導であった。対象は始めてクリケットを体験する小学2年生とブレア先生と何度かクリケットを体験した5年生。
 1時間目は2年1組、2時間目は2年2組にクリケットを指導した。1時間が45分しかないため、ルール説明の時間を省略して、クラスを2つに分け、2箇所に分かれ早速ペアーズクリケットを行いながらルール説明を行った。小学2年生には言葉やルールが難しいため、集中力が途切れ、すぐに飽きてしまうかと思ったが、ブレア先生やRCAスタッフの話によく耳を傾け、クリケットをやっているうちに「デッドボールはないの?」「どうしてどこに打ってもいいの?」「ここで守ってもいいの?」などの質問が飛び出し、非常にクリケットらしくなった。ちなみに小学2年生には投げられたボール(ボウリングされたボール)を打つのは困難だと判断し、ティーをクリースに起き、バッティングをさせた。(ボウリングアクションの指導は行わなかった。)毎度のことながらバットを置いて走ってしまう生徒やYes、Noを言わずに走ってしまう生徒が多くいた。徐々に生徒同士が注意し合うようになっていった。
 行間休みにも2年生がクリケットをやりたがったため、クリケットを行った。その際はボウリングアクションの指導を行った。肘を曲げてはいけないということに異常さや不審さを感じるらしく、なかなか肘を伸ばして投げてくれず、幾度となくゲームを止めることになった。
 次に、3時目5年1組、4時間目は5年2組にクリケットを指導した。何度かクリケットをやってはいたが、再度クリケットのルール説明をした。しかし、2年生の時と同じく、ルール説明の時間を省略して、クラスを2つに分け、2箇所に分かれ早速ペアーズクリケットを行いながらルール説明を行った。思春期特有の恥ずかしさによる積極性の欠如は、一部の女子の間では見られたが思っていたほどではなかった。5年生ではボウリングもバッティングも両方やってもらった。相変わらずバットを置いて走ってしまう生徒がおり、360度どこに打っても構わないのに、前に打つように体勢やバットの向きを器用に変える生徒が多くいたが、注意するごとに改善され、バッティングは何とかさまになっていた。しかし、肘を曲げないで投げるボウリングの動きは始めてのため、とても難しいようだった。上左右の超ワイドが多く、ウィケット近くに投げられるまで男女とも時間がかかった。最後にはゲームらしくなり、楽しんでくれたようだ。
 今回の指導を通して痛感したのは、ルールをしっかり学んでから、クリケットを体験したほうがより楽しめるということだ。なかにはルールがよくわかっていなく十分に楽しめていない生徒や、一つ一つの動きに対してどうしてそうするのか質問をしてくる生徒がいた。すべての生徒を満足させるには、やはりルール説明は必須だ。そして、クリケットをほとんどやったことのない生徒に対してのルール説明なしでの実技指導はRCAスタッフ2人だけでは、体力的にも精神的もきつい。
 ブレア先生は三芳小学校へは月1回しか指導に来ないらしい。しかし、生徒はまだまだクリケットをやりたいようだったし、給食の時間を使い先生たちにクリケットを簡単に説明できたので、学校ぐるみでクリケットに取り組んでほしいと思う。