2002/11/1920
袖ケ浦市立中川小学校
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袖ヶ浦市立中川小学校「クリケット教室」活動報告
報告者 萱場 俊明
実施場所
千葉県袖ヶ浦市中川小学校体育館
実施日
2002年11月19日(火)、同20日(水)
講師
松村謙一郎
指導者
(1)11月19日(火) 伊藤誠章、川村さやか
(2)11月20日(水) 萱場俊明
(順不同、敬称略)
参加者
約30名 × 8クラス = 約240名
(1)11月19日(火) 4クラス(5年1〜2組、6年1〜2組)
(2)11月20日(水) 4クラス(3年1〜2組、4年1〜2組)
EAT
Ms. Tina CONN(豪州出身)
時間割
(1)指導者自己紹介、道具・ユニフォーム紹介(約5分)
(2)ビデオ(TBS系BSデジタル放送”BS-i”)によるルール説明(約10分)
(3)指導者実演によるルール説明(約20分)
(4)児童によるゲーム実施(約5分)
実施経緯
袖ヶ浦市立小学校全8校(分校1校含む)で英語授業を担当している英会話学校教師Mr. Robert WHITTAKER(ロバート・ウィテカー。豪州シドニー出身、在日5年。以下、「Mr. Rob」という。)からの依頼(袖ヶ浦市立小学校全8校に在籍する小学3〜6年生の全クラスに、「英語授業」の一環としてクリケットを指導する計画)。
 2002年9月24日(火)、レクリエーショナルクリケット協会 松村謙一郎会長及び、(NPO)日本クリケット協会 宮地直樹主任普及員とMr. Rob(他、千葉県教育委員会総合教育センター所長、研究指導主事同席)との打ち合わせにより実施決定。

【指導内容】
(1)指導者自己紹介、道具・ユニフォーム紹介(約5分)
 ア.クリケットに対する世界と日本の認識差紹介
 120カ国で愛好されている球技でサッカーに次ぐ世界第二位の競技人口を誇る、等々解説。
 イ.ユニフォーム紹介
 着用する上着は「襟付きである」ことを紹介したうえで、白色【セーター着用】とEnglish Activity Teacher (以下、「EAT」という。)出身国代表カラーユニフォームとを比較解説。
 ウ.道具紹介
 バット2本、硬球2個、レガース(白色&赤色それぞれ1対)、バッティンググラブ(1対)、ウィケットキーパーグラブ(1対)、ウィケット(スタンプス&ベイル1組)を回覧・展覧し、使用方法や使用目的等について解説。

(2)ビデオ(TBS系BSデジタル放送”BS-i”)上映によるルール説明(約10分)

(3)指導者実演によるルール説明(約20分)
 ア.打撃部門
 (ア)打者の呼称「バッツマン」の確認
 (イ)男子児童1名の助力を得て、以下の項目について野球との比較解説
 (e.及びf.に関しては、男子児童1名に加えて、女子児童1名の助力を得る)
 a.打者の目的
 打球を遠方へ飛ばす打撃ではなく、「ウィケットを防御する打撃」を心がけさせる。
 b.打撃の方向
 打者は「自分を中心にして360度、どの方向にも打撃ができる」ことを認識させる。
 c.ストライク/ボールゾーンの有無
 「ストライクゾーン/ボールゾーンが無い」ことを認識させ、積極的な打撃を心がけさせる。
 d.デッドボール判定の有無
 「デッドボール判定が無い」ことを認識させ、身体に迫るボールからバットを活用して身体を防御する方法を心がけさせる。
 e.打者(攻守)の交替
 「打撃はペアとなった2人で実施される」「打者がアウトになった場合にはペアの一方の打者のみが交替する」ことを認識させる。
また、攻守の交替は「打撃ペアが組めなくなった時点(11人制であれば10人がアウトとなった時点、6人制であれば5人がアウトとなった時点)で実施される」ことを認識させる。
 f.得点方法
 明確な意思表示(「Yes」「No」の大きな掛け声、身振り)により、得点時の「パートナーシップの重要性」を認識させる。
 イ.投球(守備)部門
 (ア)投手の呼称「ボウラー」の確認
 (イ)同行スタッフ1名の助力を得て、野球との比較解説
 a.投球の目的
ボールを(打者の腰位置程度の高さしかない)ウィケットに当て打者をアウトにするため、力強い投球ではなく「丁寧なワンバウンド投球」を心がけさせる。
 b.投球の方法
投手の打者に対する投球は「肘を伸ばさなければならない」ことを認識させるとともに、打者に対する投球時に投手が肘を曲げて投球した場合には、「違反投球(*)を宣告され打撃側に1点付与される」ことを認識させる。  *「ノーボール」と呼称される。
 c.基準投球単位「オーヴァー」と投手交替
 6球を1セットとした投球単位「オーヴァー」を認識させるとともに、「打者に対する投球はオーヴァー毎に実施される」「投手はオーヴァー毎に必ず交替しなければならない(先発完投といった投球形態はない)」ことを認識させる。
 d.投球の方向
 打者に対する投球は、「ウィケットの片端からのみ実施されるのではなく、ウィケットの両端からオーヴァー毎に交互に実施される」ことを認識させる。
 e.暴投判定の有無
 ストライクゾーン/ボールゾーンは無いが、投手が打者に対して明らかに打撃不可能な投球をした場合には、「暴投(*)を宣告され打撃側に1点付与される」ことを認識させる。
 *「ワイドボール」と呼称される。

(4)児童によるゲーム実施(約5分)
 学級を打撃担当班と投球(守備)担当班の2班に分類し、ゲームを実施。
 プログラム終了時には、「イージークリケット」シール交付(各児童1枚)及びクリケットポスター付与(各クラス1枚)。

【総括】
 報告者は2日目の小学3,4年生児童を対象とした授業に参加、指導した。
 参加した児童からは「バント打撃は認められるのか」「守備についている人間も返球時に肘を伸ばす必要があるのか」等の積極的な質問が寄せられ、報告者は児童の着眼点の意外な高さに驚かされた。
 また、児童、学級担任教諭及びEATとの関係が整然と保たれており、授業が円滑に進行したことはたいへん喜ばしいことであった。本授業に参加、指導した者としてこの場を借りて彼らに深謝申し上げたい。
 しかしながら、当方と学校側とで「本授業の取扱」につき、認識の差異(*)から混乱した場面が若干生じたことも事実である。本授業は「英語授業の一環として、母国で愛好されているクリケットを正確に児童に理解させて欲しい」とのEAT側の要望が前提にあって実施されているものだが、授業開始前に、当方と学校側とで「本前提の確認も含めた簡単な打ち合わせ」を再度実施することで、運営の円滑性がより高まるものと思料する。
 *学校側は、「児童は既にEATとクリケットを体験済みであり、協会側にはクリケットの説明・解説ではなく体育授業のようにゲームを楽しむ機会の提供をお願いしたい」との認識を有していた。