【指導内容】
(1)指導者自己紹介、道具・ユニフォーム紹介(約5分)
ア.クリケットに対する世界と日本の認識差紹介
120カ国で愛好されている球技でサッカーに次ぐ世界第二位の競技人口を誇る、等々解説。
イ.ユニフォーム紹介
着用する上着は「襟付きである」ことを紹介したうえで、白色【セーター着用】とEnglish Activity Teacher (以下、「EAT」という。)出身国代表カラーユニフォームとを比較解説。
ウ.道具紹介
バット2本、硬球2個、レガース(白色&赤色それぞれ1対)、バッティンググラブ(1対)、ウィケットキーパーグラブ(1対)、ウィケット(スタンプス&ベイル1組)を回覧・展覧し、使用方法や使用目的等について解説。
(2)ビデオ(TBS系BSデジタル放送”BS-i”)上映によるルール説明(約10分)
(3)指導者実演によるルール説明(約25分)
ア.打撃部門
(ア)打者の呼称「バッツマン」の確認
(イ)男子児童1名の助力を得て、以下の項目について野球との比較解説
(e.及びf.に関しては、男子児童1名に加えて、女子児童1名の助力を得る)
a.打者の目的
打球を遠方へ飛ばす打撃ではなく、「ウィケットを防御する打撃」を心がけさせる。
b.打撃の方向
打者は「自分を中心にして360度、どの方向にも打撃ができる」ことを認識させる。
c.ストライク/ボールゾーンの有無
「ストライクゾーン/ボールゾーンが無い」ことを認識させ、積極的な打撃を心がけさせる。
d.デッドボール判定の有無
「デッドボール判定が無い」ことを認識させ、身体に迫るボールからバットを活用して身体を防御する方法を心がけさせる。
e.打者(攻守)の交替
「打撃はペアとなった2人で実施される」「打者がアウトになった場合にはペアの一方の打者のみが交替する」ことを認識させる。
また、攻守の交替は「打撃ペアが組めなくなった時点(11人制であれば10人がアウトとなった時点、6人制であれば5人がアウトとなった時点)で実施される」ことを認識させる。
f.得点方法
明確な意思表示(「Yes」「No」の大きな掛け声、身振り)により、得点時の「パートナーシップの重要性」を認識させる。
イ.投球(守備)部門
(ア)投手の呼称「ボウラー」の確認
(イ)同行スタッフ1名の助力を得て、野球との比較解説
a.投球の目的
ボールを(打者の腰位置程度の高さしかない)ウィケットに当て打者をアウトにするため、力強い投球ではなく「丁寧なワンバウンド投球」を心がけさせる。
b.投球の方法
投手の打者に対する投球は「肘を伸ばさなければならない」ことを認識させるとともに、打者に対する投球時に投手が肘を曲げて投球した場合には、「違反投球(*)を宣告され打撃側に1点付与される」ことを認識させる。 *「ノーボール」と呼称される。
c.基準投球単位「オーヴァー」と投手交替
6球を1セットとした投球単位「オーヴァー」を認識させるとともに、「打者に対する投球はオーヴァー毎に実施される」「投手はオーヴァー毎に必ず交替しなければならない(先発完投といった投球形態はない)」ことを認識させる。
d.投球の方向
打者に対する投球は、「ウィケットの片端からのみ実施されるのではなく、ウィケットの両端からオーヴァー毎に交互に実施される」ことを認識させる。
e.暴投判定の有無
ストライクゾーン/ボールゾーンは無いが、投手が打者に対して明らかに打撃不可能な投球をした場合には、「暴投(*)を宣告され打撃側に1点付与される」ことを認識させる。
*「ワイドボール」と呼称される。
(4)児童によるゲーム実施(約5分)
学級を打撃担当班と投球(守備)担当班の2班に分類し、ゲームを実施。
プログラム終了時には、「イージークリケット」シール交付(各児童1枚)及びクリケットポスター付与(各クラス1枚)。
(特別指導)
当初は4時間目までの指導の予定だったが、2時間目に指導したクラスが5時間目に体育館を自由に使えるため、ゲームをしたいとの申し入れがあり、ゲームの詳しい指導を実施した。
28名を6人チーム2つ、7チーム2つに分け、フィールドをふたつ設け、各児童がボウリングとバッティングを経験できるよう配慮したルールにした。
バッティングの順番を待っている児童には点の数え方を、ボウリングをする児童には1オーバー6球という意識付けを、バッティングをする児童にはクリースを意識した点の採り方を詳しく指導。
【総括】
EATのMr.Jin がカナダ出身で、児童たちはクリケット未経験であった。
2時間目に指導した3年生のクラスは、5時間目、体育館を自由に使えるということで急遽、5時間目にゲームをする運びとなった。3年生のゲームを見ていて思ったことは、3年生の児童はフィールディングがうまく出来ないということで、ボールが転がった方にフィールダーみんなで掛けて行く傾向がある。指導してもあまり進歩が見られなかった。
クリケット経験は始めてであったが、飲みこみが早かったこと、クリケットへの関心の高さは喜ばしいことだった。
以上
|