クリケット競技規則
1980年改正版
Marylebone Cricket Club 承認 日本クリケット協会公認公式規則集
発行:日本クリケット協会 発行人:山田 誠

【The Laws of Cricketとは
 200年以上の歴史を持つクリケットの競技規則が最初に確立したのは、1744年のことです。その後1787年、ロンドンにあるマリラボン・クリケットクラブが唯一の公式ルール編纂機関に指定されました。そして1788年5月30日、その権威あるクラブによってはじめてまとめられた「THE LAWS OF CRICKET」が施行され、今もなお世界中のクリケット選手たちの行動指針となっています。
 近代クリケットの黎明ともいうべきこの規則がスタートしてから、幾度となく規則の改正・見直しがありました。1947年の改正では55あった規則が47に、そして1980年の改正では47あった規則が42に減らされよりシンプルになりつつあります。これらの改正はマリラボン・クリケットクラブの特別総会で決定され、規則が時代に即した内容になるように常に注意が払われています。しかしこうした改正が行われながらも、この競技の基本的なルール、精神は最初の規則ができた1744年当時とほとんど変わっていません。
 クリケットの競技規則は単なるルールではなく、フェアプレー精神に基づいた人間教育の側面も持ち合わせています。人間社会には約束事があり、それを公正明大な態度で守ることによって生きることが重要であることを教えてくれます。「THE LAWS OF CRICKET」、それは競技規則であると同時に「法律」なのです。

LAW1 選手
1.
選手の数とキャプテン
試合は1チーム11人で構成される2チームによって行われ、各チーム11人のうち1人がキャプテンとなる。キャプテンがなんらかの理由でいない場合は、代理キャプテンを選ぶ。
2.
選手の指名
キャプテンはイニングを決めるトスの前に、試合に出場する選手を指名する。指名後は相手チームのキャプテンの同意なしに選手の変更はできない。
注意
(a)1チーム11人以上あるいは11人以下の場合
 試合は両チームの合意により1チーム11人以上あるいは11人以下で行うことができるが、フィールダーは11人までとする。

LAW2 補欠選手と代走

 バッツマンかフィールダーがフィールドを離れる:バッツマンのリタイア:バッツマンのイニング開始
1.
補欠選手
通常、補欠選手は試合中のケガや病気のためプレー続行不可能とアンパイアに判断された選手の代わりにフィールディングのみすることが許されている。しかしアンパイアは相手チームのキャプテンの同意に基づき、ケガや病気以外の正当な理由によって例外的に選手の交代を許可することがある。選手がシャツやシューズ等の交換をしたいときはフィールドを離れてもよいが(フィールド内で交換してはならない)、この場合補欠選手の起用は認められない。
2.
補欠選手に対する異議
相手チームのキャプテンはフィールドでプレーする補欠選手あるいはそのポジションに対して異議を唱えることはできないが、補欠選手がウィケットキーパーをすることに対しては異議を唱えることができる。
3.
補欠選手のバッティング、ボーリングの禁止
補欠選手はバッティング、ボーリングをすることができない。
4.
補欠選手に代わってもらった選手
補欠選手に代わってもらった選手が復帰した場合、その選手はバッティング、ボーリング、フィールディングをすることができる。
5.
代走
代走は試合中、ケガあるいは病気のために走ることのできなくなったバッツマンに対して起用することができる。代走はバッティングサイドの選手の中から選ぶが、できればそのイニングにおいてすでにバッティングを終了している選手が望ましい。
6.
代走の装備
代走は負傷したバッツマンと同じプロテクターを着用する。
7.
負傷したバッツマン、代走の規則違反
負傷したバッツマンは代走がLAW33(ハンドルド・ザ・ボール)、LAW37(オブストラクティング・ザ・フィールド)あるいはLAW38(ランアウト)に違反した場合アウトになる。負傷したバッツマンも当然のことながらLAWSに従わなければならない。さらに負傷したバッツマンがなんらかの理由でクリースから離れた際にウィケットが倒された場合は、ノンストライカー、代走の位置に関係なくLAW38(ランアウト)、LAW39(スタンプト)によってアウトになり、このときのランは全て認められない。
負傷したバッツマンがノンストライカーになった場合、試合の妨害にならない位置にいなければならない。試合の妨害をした場合は、規則違反とみなされLAWSに従ってペナルティーが与えられる。
8.
フィールダーの退場
フィールダーはセッション中、ボーラーズエンドのアンパイアの同意なしにフィールドの入退場をすることはできない。インターバルの後フィールディングサイドが補欠選手を起用しようとする場合も、同様にボーラーズエンドのアンパイアの同意が必要である。さらにフィールディングサイドの選手がフィールドから退場したり、インターバルの後なんらかの理由でフィールドに戻って来ることができず15分以上経過した場合、実際に不在だった時間はボーリングをすることができない。ただしこの規制、翌日の試合開始時からは適用されない。
9.
バッツマンの退場、リタイア
バッツマンはあらかじめボーラーズエンドのアンパイアに知らせておけば、病気、ケガやその他のやむを得ない理由により退場することができる。そのバッツマンがイニングを再開する場合は、ウィケットが倒されたときに行う。
もし病気やケガ以外の理由で退場あるいはリタイアした場合は、相手チームのキャプテンの同意なしにイニングを再開することはできない。
病気やケガあるいはその他のやむを得ない理由により退場あるいはリタイアし、プレーを再開することができない場合は、"retired, not out" となりそれ以外は "retired, out" と記録される。
10.
バッツマンのイニング開始
バッツマンのイニングは、プレーエリア内に足を踏み入れた瞬間に開始したとみなされる。
注意
(a)補欠選手と代走
これらの規則の目的はキャプテンによる選手指名後、ケガや病気が起きたときに対処できるようにするためである。

LAW3 アンパイア
1.
指名
イニングを決めるトスの前に、指名された2人のアンパイアはボーラーズエンドとストライカーズエンドに分かれ、LAWSに基づいて公正に試合をコントロールする。
2.
アンパイアの交代
試合中のアンパイアの交代は両チームのキャプテンの同意なしに行うことはできない。
3.
特別な状況
イニングを決めるトスの前に、アンパイアは試合の進行に影響する特別な状況について両キャプテンと合意する。
4.
ウィケット
アンパイアは試合開始前にウィケットが適切に準備されているか確認する。
5.
時計あるいは腕時計
アンパイアは試合のタイムキーピングのために使用する時計の確認をし、どの時計を使用するかについて両キャプテンに報告しなければならない。
6.
運営と設備
アンパイアは試合の開始前と試合中、その運営や設備がLAWSに適合しているかどうかを確認する。
7.
フェアプレーとアンフェアプレー
フェアプレーとアンフェアプレーの判断はアンパイアのみが行う。
8.
グランドコンディション、天候および明るさの適性
(a)グランドコンディション、天候および明るさの適性についての判断は、アンパイアのみが行う。
  (i) ただし、アンパイアは試合を中断するか再開するかの判断を決定する前に、両キャプテン(ウィケットにいるバッツマンがバッティングサイドのキャプテンの代わりをしてもよい)の意向を聞く必要がある。もし両キャプテンが試合の続行あるいは再開を希望しているのであれば、その意思を尊重しなければならない。
  (ii) 試合中、アンパイアが明るさの不足のため試合の続行が困難であると判断しても、バッティングサイドのキャプテンは試合の続行を要求することができる。その結果明るさの不足のなかで試合を続行した後、バッ ティングサイドのキャプテン(ウィケットにいるバッツマンがバッティングサイドのキャプテンの代わりをしてもよい)が試合の中断を申し出る場合は、先に合意した時点での明るさよりも暗くなっていることがその条件である。
(b)中断後状況の回復があった場合、アンパイアは速やかにコンディションの状況を独自の判断で行い、再開を決定したら選手に対してただちにそのことを報告し試合を開始する。
9.
例外的状況
天候やグランドコンディション、明るさ以外の例外的状況によって試合を中断したり、中止する場合の判断はアンパイアが行う。ただし、アンパイアはこのような判断をする前に両キャプテン(ウィケットにいるバッツマンがバッティングサイドのキャプテンの代わりをしてもよい)の意向を聞く必要がある。もし両キャプテンが試合の続行を希望しているのであれば、その意思を尊重しなければならない。
10.
アンパイアのポジション
アンパイアは最も判定のしやすい位置に立たなければならない。
このことを第一に考え、ボーラーズエンドのアンパイアはボーラーのランアップとバッツマンの視界を妨害しない位置に立たなければならない。
一方ストライカーズエンドのアンパイアは、通常レッグサイド(バッツマンの背後)に位置するが、オフサイドに立ってもよい。この場合アンパイアはフィールディングサイドのキャプテンとバッティングサイドのストライカーにそのことを知らせる。
11.
アンパイアのエンドの交代
アンパイアはイニング毎にエンドを交代する。
12.
試合の運営等に関する協議
試合の運営等に関する判断はアンパイアによってなされる。もし両アンパイアの意見が異なる場合は、協議の前に行われていた条件を続行させる。
13.
判定のシグナル
試合中アンパイアは以下に書かれている判定のシグナルをスコアラーに分かるように示さなければならない。スコアラーはシグナルが確認でき次第速やかにアンパイアに対して合図を送る。
バウンダリー:どちらかの腕を水平に振る。
バウンダリー6:両腕を頭の上に上げる。
バイ:どちらかの腕を頭の上に上げる。
デッドボール:腰の下で両腕の手首を交差させる。
レッグバイ:どちらかの膝を上げ、手を触れる。
ノーボール:どちらかの腕を水平に上げる。
アウト:人さし指を頭の上まで上げる。(ノットアウトの場合は「ノットアウト」とコールする。)
ショートラン:どちらかの腕を曲げ、手の先は肩に触れる。
ワイド: 両腕を水平に上げる。
14.
スコアの正確さ
アンパイアは試合中、スコアが正確につけられているかについての責任を負っている。LAW21.6(結果の正確さ)参照。
注意
(a)アンパイアの出席
 アンパイアは少なくとも試合開始30分前にグランドに来て、グランド関係者へ報告しなければならない。
(b)アンパイア、スコアラー間の確認
 不明な点についてアンパイアとスコアラーは確認し合わなければならない。
(c)グラウンドの適性
 アンパイアはボーリングやフィールディング、バッティングが困難なほど足場が軟弱で滑りやすくなった場合は、グラウンドコンディションがプレー続行に適していないと考えるべきである。ただし芝やボールが濡れてちょっと滑りやすくなった程度で試合の中断を考えてはならない。
(d)天候と明るさの適性
 アンパイアはこれ以上試合を続けては危険なほどコンディションが悪化した場合にだけ中断の決定をする。

LAW4 スコアラー

1.
ランの記録
全てのランは指名されたスコアラーによって記録される。スコアラーが2名いる場合、スコアラーはスコアシートが正確に記録されているかを常にチェックし合わなければならない。
2.
シグナルの確認
スコアラーはアンパイアの判定のシグナルを受け次第速やかに確認の合図をしなければならない。

LAW5 ボール

1.
重さとサイズ
新しいボールの重さは155.9〜163gで、外周は22.4〜22.9cmでなければならない。
2.
ボールの承認
試合で使用する全てのボールは、試合開始前にアンパイアおよび両キャプテンによって承認される。
3.
新ボール
イニングを決めるトスの前にその試合で使用するボールを交換しないということに合意することもあるが、合意があった場合はその合意に従い、合意がなかった場合、キャプテンは各イニング開始前に新ボールを要求することができる。
4.
3日間以上の試合における新ボールについて
3日間以上の試合では、ある一定オーバー投球後のボールについて、フィールディングサイドのキャプテンが新ボールへの交換を要求することができる。オーバー数については各国のクリケット協会が決定するが、最低75オーバー(1オーバー6球の場合)か55オーバー(1オーバー8球の場合)でなければならない。
5.
ボールの紛失、ボールが試合に適さなくなった場合
試合中、ボールが紛失したり、アンパイアによってボールが試合に適さなくなったと判断された場合は交換することができる。ただしそのボールはアンパイアの判断により、その時まで使用していたボールと同程度のコンディションのものを使用する。このようなボールの交換があった場合、アンパイアはバッツマンにそのことを報告する。
注意
(a)ボールの仕様
 1で記述したボールの仕様はハイクラスの試合のみに適用されるものである。以下に列挙する仕様はハイクラス以外のもので、仕様の許容範囲を示している。
(i)
男性2nd〜4thグレード/重さ:150〜165g/外周:22〜23cm
(ii)
女性/重さ:140〜150g/外周:21〜22.5cm
(iii)
ジュニア/重さ:133〜143g/外周:20.5〜22.0cm

LAW6 バット
幅と長さ
バット全体の長さは96.5cm以下、ブレード(ボールを打つ平らな部分)は木製でその幅は10.8cm以下でなければならない。
注意
(a)バットのブレードの表面を保護、補強あるいは修理のためになんらかの素材で覆ってもよいが、その素材の厚さは1.56mm以下でなければならない。

LAW7 ピッチ
1.
ピッチのエリア
ピッチとは両方のボーリングクリース間のエリアのことをいう。LAW9(ボーリングクリース、ポッピングクリース、リターンクリース)参照。ボーリングクリースはウィケットのミドルスタンプから両側に1.52mずつ平行な線で示される。LAW8(ウィケット)参照。
2.
ピッチの位置決定と準備
イニングを決めるトスの前までは、グランド責任者がピッチの位置決定と準備に関する責任を負うが、トスの後はアンパイアがその管理に対して責任を負う。
3.
ピッチの変更
試合中ピッチは原則として変更することはない。しかしアンパイアおよび両キャプテンによってピッチがプレーに適さなくなったと判断された場合のみ変更することがある。
4.
芝以外のピッチを使用する場合は以下が適用される。
(a)長さ/最低17.68m。
(b)幅/最低1.83m。
LAW10(ピッチのローラーがけ、スウィーピング、芝刈り、水撒きおよびクリースラインの引き直し)注意(a)参照。

LAW8 ウィケット

1.
幅と位置
2組のウィケットを使用するが、幅は22.86cmで3本の木製のスタンプと2本のベイルで構成されている。ウィケットは両方のミドルスタンプ間の距離が20.12mになるようにして互いに平行に立てられる。
2.
スタンプのサイズ
  スタンプは全て同じサイズのものを使用し、スタンプの間をボールが通り抜けないように設置する。スタンプの高さは地面から71.1cmで、上の部分はドーム型をしており、ベイルを置くための溝がある。
3.
ベイルのサイズ
ベイルの長さは11.1cmで、スタンプに置いたときにスタンプの上から1.3cm以上ベイルが突き出てはならない。
注意
(a)ベイルの除去
 強風が吹いている場合、アンパイアはベイルを使用しないことを決定することがある。
(b)ジュニアクリケット
 ジュニアクリケットにおいては以下のサイズが適用される。
 幅 20.32cm
 ピッチ 19.20m
 高さ 68.58cm
 ベイルの長さ 9.84cmでスタンプの上から1.3cm以上突き出てはならない。

LAW9 ボーリングクリース、ポッピングクリース、リターンクリース
1.
ボーリングクリース
ボーリングクリースラインはスタンプに沿って平行に引くが、そのラインのバッグエッジがボーリングクリースである。長さは2.64mで中央にスタンプが位置する。
2.
ポッピングクリース
  ポッピングクリースラインのバッグエッジ(ウィケット側の端)がポッピングクリースであるが、それはボーリングクリースの前にかつ平行にマークされる。ミドルスタンプの中心からポッピングクリースまでは1.22mで両側に最低1.83mマークする必要がある。ポッピングクリースは長さに制限がないものとする。
3.
リターンクリース
  リターンクリースラインのインサイドエッジ(内側の端)がリターンクリースであるが、それはボーリングクリースに対して直角でウィケット後方に最低1.22m、前はポッピングクリースまでマークする。リターンクリースは長さに制限がないものとする。

LAW10 ピッチのローラーがけ、スウィーピング、芝刈り、水撒き、およびクリースラインの引き直し

1.
ローラーがけ
試合中はバッティングサイドのキャプテンの要請により、1stイニング以外の各イニング開始前と、各日の試合開始前に7分間以内でローラーがけをすることができる。ただしイニングを決めるトスの後、1stイニングの開始が遅れた場合、バッティングサイドのキャプテンは7分間以内でローラーがけを要求することができるが、アンパイアの判断により、その試合開始遅延の間にピッチコンディションの変化はなかったとみなされた場合、アンパイアはローラーがけの要求を拒否する。
それ以外では試合中にローラーがけをすることはできない。
各日の試合開始前のローラーがけは7分間以内で、開始30分以上前に行わない。そしてバッティングサイドのキャプテンは、このようなローラーがけを試合開始10分前まで遅らせることができる。
バッティングサイドのキャプテンがインターバル中、試合再開までの残り時間が15分以内になった時点でデクレアーをしたため、その結果相手チームのキャプテンにローラーがけの選択をするための時間的余裕がない場合や、それ以外の理由で選択できない場合は、ローラーがけは通常の試合時間の中で行われる。
2.
スウィーピング
試合中のピッチのスウィーピングは必要であり、上記1の7分間のローラーがけに影響のないように行われる。
3.
芝刈り
(a)グラウンド責任者とアンパイアの責務
 イニングを決めるトスの前に行われる芝刈りについては、グラウンド責任者が全ての責任を負うが、トスの後についてはアンパイアがその任務を引き継ぐ。LAW7.2(ピッチの位置決定と準備)参照。
(b)最初の芝刈り
 ピッチの芝刈りは各日のスケジュールに基づいた試合開始時刻の前か、試合開始遅延の場合は開始予定時刻の前に行われる。上記3(a)(グランド責任者とアンパイアの責務)参照。
(c)2日間以上の試合におけるピッチの芝刈り
 2日間以上の日程で行われる試合では、その日の試合開始前にピッチの芝刈りが行われる。天候の不順や試合の休養日、そのほかの理由で芝刈りができない場合は、試合再開日に行う。
(d)2日間以上の試合におけるアウトフィールドの芝刈り
 アウトフィールドのコンディションをなるべく一定に保つため、グラウンドコンディションや天候が許すかぎり通常各日の試合開始前に芝刈りを行う。上記注意(b)参照。
4.
水撒き
試合中、ピッチに水を撒いてはならない。
5.
クリースラインの引き直し
試合中必要なときは、クリースラインをいつでも引き直すことができる。
6.
フットホールのメンテナンス
雨天の場合、アンパイアはボーラーやバッツマンによって悪くなった足場をプレーしやすいようにきれいにし、かつドライな状態を保たなければならない。2日間以上の試合においては必要であれば、アンパイアが各日の試合開始前、ボーラーの助走によってできたフットホールに芝やそのほかの充填物を埋めてもよい。
7.
フットホールの保全とピッチのメンテナンス
試合中、バッツマンは荒れたピッチを直すためにバットの先端を使ってピッチを叩いてもよい。また、LAW42(アンフェアプレー)に反することなく、またピッチを傷つけなければ、安全のためにおが屑を使ってフットホールを埋めてもよい。
注意
(a)芝でないピッチの場合
 上記のLAW10は芝のピッチに適用される。
 芝でないピッチによる試合は、様々な国とレベルで行われている。このような試合もLAWS OF CRICKETに基づいて行われなければならないが、各国の状況にあった特別規則の設定がときに必要になってくることも認識されなければならない。
 したがって遠征チームと試合をする時は、特別規則についてあらかじめ両チームが合意しておくべきである。
(b)2日間以上の試合におけるアウトフィールドの芝刈り
 グラウンドコンディションや天候以外の理由で各日の芝刈りができない場合、グラウンド責任者は最初の日のイニングを決めるトスの前に両キャプテンと両アンパイアにそのことを報告し、その試合での芝刈りの手順について合意をしなければならない。
(c)ローラーの選択
 2台以上ローラーがある場合、バッティングサイドのキャプテンはローラーを選択することができる。

LAW11 ピッチカバー

1.
試合開始前
試合開始前はカバーでピッチを完全に覆ってもよい。
2.
試合中
  試合中は事前の合意や規則がないかぎり、カバーでピッチを完全に覆ってはならない。
3.
ボーラーの足場のカバー
いつでも必要なときは、ボーラーの足場をカバーで覆ってもよいが、そのカバーはポッピングクリースから1.22mより前に敷いてはならない。
注意
(a)カバーの除去
天候の回復があったらすぐにカバーを外さなければならない。

LAW12 イニング

1.
イニングの数
試合開始前の合意により、試合は1イニングか2イニングで行われる。
2.
イニングの交代
2イニングマッチの場合、LAW13(フォローオン)のケースを除き、各チーム交互にイニングを交代する。
3.
トス
両キャプテンはスケジュールに基づく試合開始時刻か、合意された試合開始時刻の15分前までに、イニングを決めるためのトスを行う。
4.
イニングの選択
トスに勝ったキャプテンは、スケジュールに基づく試合開始時刻か、合意された試合開始時刻の10分前までに、バッティングをするかフィールディングをするかの決定をし、相手チームのキャプテンに報告しなければならない。そしてその後の変更はできない。
5.
1イニングマッチ終了後の試合続行
1イニングマッチで1stイニングが早く終了し、両キャプテンによって2ndイニングを続けるだけの時間がまだ十分にあると判断された場合は、上記1の規定に関係なくその試合を続行することができる。LAW21(結果)参照。
注意
(a)リミテッドイニング−1イニングマッチ
 1イニングマッチでは、合意によって各イニングをオーバー数か時間で制限することがある。
(b)リミテッドイニング−2イニングマッチ
 2イニングマッチでは、合意によって1stイニングをオーバー数か時間で制限することがある。

LAW13 フォローオン

1.
1stイニングのリード
2イニングマッチにおいて、バッティングを先に行ったチームが、1stイニング終了時において相手チームを200ラン(5日間試合以上)、150ラン(3、4日間試合)、100ラン(2日間試合)、75ラン(1日試合)以上リードした場合、そのチームは相手チームにイニングの続行を要求することができる。
2.
試合日数の減少
  2日間以上の試合でその1日目のプレーができなかった場合、フォローオンに必要なリードは、試合日数の減少のため変更された日数を上記1に適用し決定される。

LAW14 デクラレーション

1.
デクラレーションのタイミング
バッティングサイドのキャプテンは、試合の長さに関係なく試合中いつでもデクレアーをしイニングを終了してもよい。
2.
2ndイニングの放棄
  いずれかのキャプテンは、イニング交代のための10分の間に、7分間のピッチに対するローラーがけの時間が相手チームに十分与えられるのであれば、相手チームのキャプテンとアンパイアに自チームの2ndイニング放棄を要求することができる。LAW10(ピッチのローラーがけ、掃除、芝刈り、水撒き、およびクリースラインの引き直し)参照。その場合、イニング交代のための時間は通常通り10分である。

LAW15 プレーの開始

1.
プレーのコール
ボーラーズエンドのアンパイアは各イニングの開始時、各日の試合開始時、およびインターバルや中断後の試合再開時に、「プレー」をコールして試合を始めなければならない。
2.
フィールド内での練習
  試合がある場合はいかなるときでも、ピッチでボーリングやバッティングの練習をしてはならない。
アンパイアが時間の浪費になると判断した場合は、フィールド内で練習を行ってはならない。
3.
ランアップの練習
いずれのセッションにおいても「プレー」のコール後は、バッツマンがアウトになった際、アンパイアによって時間の浪費にならないとして許可された場合を除き、ランアップの練習をしてはならない。

LAW16 インターバル

1.
長さ
アンパイアは同意されたランチのためのインターバルや、イニング間の10分のインターバルを許可する。
2.
ランチタイム−イニングの終了、あるいは試合の中断がランチタイムの10分以内にあった場合
同意されたランチタイム予定時間の10分以内になって、試合がイニングの終了や、天候、明るさによる理由で中断した場合は、ランチタイムがただちにとられる。
そのセッションの残りの時間は、同意されたランチタイムに加えられるが、イニング交代があった場合、10分のインターバルは、ランチタイムに含まれ延長されることはない。
3.
ティータイム−イニングの終了、あるいは試合の中断がティータイムの30分以内にあった場合
同意されたティータイム予定時間の30分以内になって、試合がイニングの終了や、天候、明るさによる理由で中断した場合は、ティータイムがただちにとられる。
そのインターバルの長さは同意された時間で、もし可能であればイニング交代のためのインターバルをティータイムに含む。
4.
ティータイム−プレーの続行
同意されたティータイム予定時間になった時点で9ウィケットアウトの場合は、30分以内の範囲で延長するか、イニングが終了するまでプレーを続行する。
5.
ティータイム−取り止めの合意
両キャプテンは試合中いつでもティータイムの取り止めに合意することができる。
6.
ドリンクインターバル
試合開始前両キャプテンの合意があれば、試合中ドリンクインターバルをとることができるが、とるかとらないかの選択権はいずれのサイドにもある。ドリンクインターバルは1セッションにつき1回、5分以内でなるべく短時間とし、試合の最後の1時間の中ではとらない。
ドリンクインターバルは合意にしたがってきちんととらなければならないが、ドリンクインターバル予定時間の5分以内にウィケットアウトがあった場合は、インターバルがただちにとられる。
ドリンクインターバル予定時間の30分以内になって、イニングの交代や、天候、明るさによる試合の中断があった場合、そのセッションにおいてドリンクインターバルはとらない。
両キャプテンは試合中いつでもドリンクインターバルの取り止めに合意することができる。
注意
(a)ティーインターバル−ワンデイマッチ
 ワンデイマッチの場合、ティーインターバルを特にとる必要はないが、1イニングゲームのイニング内でとることに合意することはできる。
 (b)インターバルの時間変更についての合意
天候や明るさといったグラウンドコンディションによる試合中断中、アンパイアは両キャプテンとの合意に基づき、時間節約のためにランチタイムやティータイムの時間を前にずらすことを決定することができる。

LAW17 プレーの休止

1.
タイムのコール
ボーラーズエンドのアンパイアは、インターバルや試合の中断、各日のプレー終了、試合終了によるプレーの休止の際、「タイム」のコールをする。LAW27(アピール)参照。
2.
ベイルの除去
アンパイアは「タイム」のコールの後、両方のウィケットからベイルを取り除く。
3.
ラストオーバーの開始
インターバル予定時間あるいはプレー終了時間がくる前に、ストライカーズエンドのアンパイアがオーバーによる位置変更のため、通常の歩く速さでボーラーズエンドの所定位置についた場合、そのオーバーは開始されなければならない。
4.
セッションのラストオーバーの終了
インターバルあるいはセッション終了前に始めたラストオーバーは、最後まで行わなければならない。ただしそのオーバーでバッツマンがアウトになったり、インターバル予定時間あるいはセッション終了予定時間の2分以内なってリタイアがあったり、フィールドから退場する選手がでた場合はその時点でプレーが休止する。
5.
試合のラストオーバーの終了
最終日のラストオーバーはいずれかのキャプテンの要求があれば、試合終了予定時間の後でバッツマンがアウトになったとしても、最後まで行わなければならない。
もしラストオーバーの途中でグランドから退場する選手がでた場合、アンパイアは「タイム」をコールする。その結果試合はその時点で終了となりその後の試合再開はない。
6.
試合最後の1時間−オーバー数
最終日のラストオーバーはいずれかのキャプテンの要求があれば、試合終了予定時間の後でバッツマンがアウトになったとしても、最後まで行わなければならない。
もしラストオーバーの途中でグランドから退場する選手がでた場合、アンパイアは「タイム」をコールする。その結果試合はその時点で終了となりその後の試合再開はない。
6.試合最後の1時間−オーバー数
アンパイアは同意された試合時間が残り1時間になった時点で、そのことを知らせなくてはならない。そしてその次のオーバーから残りの1時間は、試合が途中で終了するかインターバルや中断がないかぎり、最低20オーバー(1オーバー6球の場合)もしくは15オーバー(1オーバー8球の場合)行わなければならない。
7.
試合最後の1時間−イニングの交代と試合の中断
  試合最後の1時間開始時点でインターバルや試合の中断が進行中であったり、その1時間の途中でイニングの交代や試合の中断がある場合、最低オーバー数は試合再開時点でそれらのインターバルや中断の時間によって減らされる。
最低オーバー数は試合再開後、次のように計算される。
(a)試合最後の1時間開始時点で、インターバルや試合の中断が進行中である場合や、その1時間の中 で最初のインターバルもしくは中断の場合、最低オーバー数は20オーバー(1オーバー6球の場合)あるいは15オーバー(1オーバー8球の場合)から差し引く。
(b)その後再びインターバルや試合の中断があった場合、試合再開後の最低オーバー数はさらに差し引かれる。
(c)以下の要領で最低オーバー数は差し引かれる。
(i)
試合最後の1時間ですでに行われたオーバー数や、その後の最終セッションにおけるインターバルや試合中 断の時間と同等のオーバー数は、最低オーバー数から差し引かれる。
(ii)
インターバルや試合中断のために失った時間を3分毎に1オーバー(1オーバー6球の場合)あるいは4分毎に1オーバー(1オーバー8球の場合)として計算し差し引く。
(iii)
オーバー途中でイニングの終了があった場合、そのオーバーは計算から外される。
(iv)
オーバー途中で試合の中断があった場合、そのオーバーは計算に入れる。そして試合再開時にそのオーバーの残りを行う。
(v)
イニング交代のための10分間や、中断開始時の「タイム」のコールから試合開始時の「プレー」のコー ル までの時間も計算に入れる。
(d)試合最後の1時間の途中でイニングの交代があった場合、その新しいイニングにおける最低オーバー数の計算法は、上記(a),(b),(c)の他に1オーバー6球の場合、残り時間を3で割り小数点以下は切り上げて計算し、1オーバー8球の場合は、残り時間を4で割り切り上げて計算する方法がある。この状況においてはより多くのオーバー数が行われる方を採用する。
8.
試合最後の1時間のオーバー途中で、ボーラーがそのオーバーを終えられなくなった場合
  上記6で示した試合最後の1時間の中で、ボーラーがいかなる理由においても、そのオーバーを終えられなくなった場合は、LAW22.7(オーバー途中でボーラーが投球できなくなった場合)が適用される。

LAW18 スコアリング

1.
ラン
  スコアはランによって記録される。ランは以下の場合記録される。
(a)バッツマンがボールをヒットした後かもしくはインプレーの時、両バッツマンが相互にエンドチェンジを行った場合。
(b)バウンダリーが記録されたとき。LAW19(バウンダリー)参照。
(c)ペナルティーランが記録されたとき。下記6参照。
2.
ショートラン
(a)どちらかのバッツマンが1ショートランであった場合、アンパイアはボールデッドになった時点ですぐに「ワンショート」のコールとシグナルをする。そのときのランは認められない。ショートランとはバッツマンが次のランのためターンするとき、ポッピングクリースの後方(ライン上は認められない)のグラウンディング(バット、身体の一部を地面にタッチすること)に失敗することをいう。
(b)ショートラン以降のランは、完全に行えば認められる。
(c)いずれかのバッツマン、もしくは両方のバッツマンが故意にショートランをし、かつアンパイアによってフィールディングサイドがいずれかのバッツマンをアウトにすることができないと判断された場合、アンパイアはすぐに「デッドボール」のコールとシグナルをする。そのときのランは全て認められず、バッツマンはもとのエンドに戻される。
(d)両方のバッツマンが同時にショートランをしたときは1ショートランのみ減らされる。
(e)3ラン以上の場合、1ショートラン以上の可能性があり、上記(c)、(d)に基づいて「ショートラン」をコールされたランは認められない。アンパイアは1ショートラン以上あった場合、認められないランの数をスコアラーに指示しなければならない。
3.
コート
ストライカーがコートアウトになった場合、全てのランは認められない。
4.
ランアウト
バッツマンがランアウトになった場合、アウトになったランのみが認められない。しかし負傷したバッツマン自身がランアウトになった場合は、全てのランが認められない。LAW2.7(負傷したバッツマン、代走の規則違反)参照。
5.
オブストラクティング・ザ・フィールド
バッツマンがオブストラクティング・ザ・フィールドでアウトになった場合、それ以前のランは認められるが、バッツマンがフィールダーのキャッチを妨害した場合、全てのランは認められない。
6.
ペナルティーに対するラン
ペナルティーによるランは、LAW20(ロストボール)、LAW24(ノーボール)、LAW25(ワイドボール)、LAW41.1(フィールディング・ザ・ボール)があるが、そのランがバウンダリーに達した場合はLAW19(バウンダリー)が適用される。
7.
バッツマンがもとのエンドに戻される場合
  両バッツマンがインプレー時、ランニングの際に交差した後でショートランがあったり、コートアウトがあった場合、バッツマンはもとのエンドに戻らなくてもよい。ただし、バウンダリーやランが認められなかった場合、負傷したバッツマン自身がランアウトになったときは、もとのエンドに戻らなければならない。LAW2.7(負傷したバッツマン、代走による規則違反)
注意
(a)ショートラン
ストライカーがポッピングクリースの外の位置からランニングを開始してもショートランにはならない。


LAW19 バウンダリー

1.
プレーエリアのバウンダリー
  イニングを決めるトスの前に両アンパイアと両キャプテンは、プレーエリアのバウンダリーについて合意しなければならない。バウンダリーは可能であれば、白いロープをグランドに置くかあるいはフェンスで示す。バウンダリーを示すのにフラッグやポストしかない場合は、それらを結ぶイマジナリーラインがバウンダリーを示す。プレーエリアの中にある障害物や人は、トスの前にアンパイアによって決定されないかぎりバウンダリーとはみなされない。プレーエリア内に全部もしくは一部分入っているサイトスクリーンについては、バウンダリーとみなされ、ボールがスクリーンに当たったり、中や下を通り抜けたり、直接越えたりした場合はバウンダリーによるランが記録される。
2.
バウンダリーによるランのスコア
イニングを決めるトスの前に、両アンパイアは両キャプテンとグラウンドの慣習によって、バウンダリーによるランの数を決定する。バウンダリーは通常4ランで、ボールがバウンダリーラインやフェンスをノーバウンド、あるいはフィールダーに触れて越えた場合は6ランとなる。フィールダーがボールをキャッチした後で、バウンダリーを越えた場合も6ランである。LAW32(コート)注意(a)参照。ボールがノーバウンドで、プレーエリア内に全部、あるいはその一部分が入っているサイトスクリーンに当たった場合は6ランではなく4ランであるが、直接越えた場合は6ランである。
3.
バウンダリー
アンパイアが以下の状況であると判断した場合、バウンダリーが記録され、シグナルが出される。
(a)インプレー中、ボールがバウンダリーラインに触れたり越えた場合。
(b)ボールを持ったフィールダーの身体の一部が、バウンダリーラインに触れたり越えてグラウンディング(地面につくこと)した場合。
(c)ボールを持ったフィールダーの身体の一部が、フェンスやボードを越えてグラウンディングした場合。ただしフィールダーがバウンダリーを防ぐため、フェンスやボードに触れたりもたれかかるなどして越えることは許されている。
4.
バッツマンによるランがバウンダリーによるランを越えた場合
ボールがバウンダリーに到達した時点で、バッツマンによるランがバウンダリーによるランを上回っている場合は、バッツマンによるランが記録される。
5.
フィールダーのオーバースローまたは故意の行動
フィールダーのオーバースローや故意の行動により、ボールがバウンダリーになった場合、オーバースローや故意の行動があった時点でのバッツマンによるランにバウンダリーが加えられる。この場合直前のランはオーバースローや故意の行動があった時点で、バッツマンがランニングのため交差していれば、そのランは成立したものとみなされる。
注意
(a)サイトスクリーンの位置
 サイトスクリーンはできるかぎりバウンダリーラインの外側に位置するようにする。

LAW20 ロストボール

1.
ランの記録
インプレー中にフィールダーがボールを見失い、見つけ出すことができなくなった際、フィールダーは「ロストボール」とコールすることができるが、この場合バッティングサイドに6ランが与えられる。ロストボールのコールがあった時点でバッツマンが6ラン以上していればそのランが記録されるが、この場合直前のランはコールがあった時点で、バッツマンがランニングのため交差していれば、そのランは成立したとみなされる。
2.
ランの記録方法
  ロストボールによるランは、ストライカーがボールを打った場合、ストライカーのランとして、それ以外のバイやレッグバイ、ノーボール、ワイドの場合はそれぞれのケースにしたがってランが記録される。

LAW21 結果

1.
勝利−2イニングマッチ
  2イニング終了時点でランの合計の多いサイドが勝利チームである。
2.
勝利−1イニングマッチ
(a)上記1以外の1イニングマッチの場合は、1イニングの結果で勝敗を決定する。LAW12.5(1イニングマッチ終了後の試合続行)参照。
(b)両キャプテンはLAW12.5(1イニングマッチ終了後の試合続行)に基づき、1イニング終了後試合の続行を決定することができるが、2ndイニングが終了しなかった場合は、1stイニングの結果が最終的なものとなる。
3.
アンパイアによる試合の判定
(a)以下の場合、そのチームはアンパイアによって試合に負けたものと判定される。
(i) 試合を放棄した場合
(ii) 負けを認めた場合
その結果、アンパイアは相手チームを勝利チームと判定する。
(b)バッツマンあるいはフィールダーが試合中、アンパイアの同意なしに退場した場合、その選手はプレーを放棄したものとみなされる。その際アピールがあればアンパイアは上記(a)に基づいて相手サイドを勝利チームと判定する。
4.
タイ
最後のバッティングサイドがイニングを終了し、試合が終了した時点でランの合計が同じ場合はタイとなる。
ワンデイマッチにおいては1stイニング終了時点でランの合計が同じ場合、勝敗決定のための試合延長をしないのであればタイとなる。
5.
ドロー
上記1、2、3、4の条件に当てはまらず試合の結果がでなかった場合はドローとなる。
6.
結果の正確さ
スコアの正確さに関してはアンパイアが責任をもつ。LAW3.14(スコアの正確さ)参照。
試合終了と確信し、アンパイアと選手がグランドから退場した後で試合の結果に影響するスコアミスが発覚した場合、試合時間が残っていればアンパイアは試合再開を指示し、試合時間の範囲内で続行される。
試合時間が残っていない場合、アンパイアは両キャプテンにスコアと試合の結果に修正を加える必要のあることをただちに報告する。
7.
結果の承認
  スコアラーによってスコアの報告がなされ、両アンパイア、両キャプテンが同意した時点で、その試合の結果が承認されたとみなされる。
注意
(a)結果の表示
 試合の結果表示は、ランの差によって行うが、後攻めのバッティングサイドが勝った場合は、残りのウィケット数の差で表示する。
(b)ウイニングヒット、エキストラ
 上記1、2にしたがって試合が終了したらすぐに、アンパイアは「タイム」をコールしゲームを終える。上記6のようなスコアミスがあった場合、ウイニングヒットやエキストラは試合の一部とみなされ続行される。
 ウイニングヒットやエキストラがバウンダリーで、勝つために必要なランを越えた場合は、そのままそのランを加え、もしそれがヒットによるランであればストライカーの得点となる。

LAW22 オーバー

1.
ボールの数
試合前の合意に基づき、1オーバー6球もしくは8球で各ウィケットから交互に投球される。
2.
オーバーのコール
合意された数のボールが投球された後、ボールがデッドになるかフィールディングサイドとバッツマンの両方がインプレーとみなすことを明らかにやめたとボーラーズエンドのアンパイアが判断した場合、アンパイアはウィケットを離れる前に「オーバー」をコールする。
3.
ノーボール、ワイドボール
ノーボール、ワイドボールともに投球数としてカウントしない。
4.
アンパイアのカウントミス
アンパイアがボールのカウントを間違えた場合、アンパイアのカウントが有効となる。
5.
ボーラーのエンドの交代
1イニングの中で2オーバー続けて投球しないかぎり、ボーラーはエンドを変えてもよい。
6.
ボーラーのオーバー終了
避けられない理由によって投球ができなくなったり、LAW42.8(ファースト・ショート・ピッチド・ボール)、LAW42.9(ファースト・ハイ・フル・ピッチ)、LAW42.10(時間浪費)、LAW42.11(選手がピッチにダメージを与える行為)でないかぎりボーラーは合意された投球数を投げ終えなければならない。オーバー途中になんらかの理由でインターバルや中断があった場合、残りは試合再開後に行われる。
7.
オーバー途中でボーラーが投球できなくなった場合
もしなんらかの理由でオーバーの1球目のランアップ途中や、オーバーの途中でボーリングできなくなったりボーリングが禁止された場合、アンパイアは「デッドボール」をコールし別のボーラーにそのオーバーを同じエンドから投球させるが、交代するボーラーはその前後のオーバーを連続して投球することはできない。
8.
ノンストライカーの位置
ボーラーズエンドのバッツマンは通常、アンパイアからの要求がないかぎりボーラーの投球するウィケットの反対側に位置する。

LAW23 デッドボール

1.
ボールがデッドになる場合
  (a)ウィケットキーパーかボーラーがボールを最終的に補球した場合。
(b)ボールがバウンダリーに到達した場合。
(c)バッツマンがアウトになった場合。
(d)プレーしたかどうかに関係なく、ボールがバッツマンかアンパイアの身体に引っ掛かった場合。
(e)フィールダーが着用しているヘルメットにボールが引っ掛かった場合。
(f)LAW20(ロストボール)あるいはLAW41.1(フィールディング・ザ・ボール)に基づきペナルティーが与えられた場合。
(g)アンパイアが「オーバー」あるいは「タイム」をコールした場合。
2.
いずれかのアンパイアが「デッドボール」のコールとシグナルをする場合。
(a)アンフェアプレーがあった場合。
(b)選手やアンパイアが負傷した場合。
(c)正当な理由によってストライカーがボーラーの投球に対して打つ準備ができずにプレーができない場合。
(d)投球前にボーラーが偶然ボールを落としたり、なんらかの理由でボーラーの手からボールが離れなかった場合。
(e)ストライカーズウィケットの両方もしくは片方のベイルが、投球される前に落ちた場合。
(f)アンパイアが協議のために通常の位置から離れる場合。
(g)LAW26.3(レッグバイが認められない場合)等でアンパイアが「デッドボール」をコールする必要がある場合。
3.
ボールがデッドでないとき
(a)ボールがアンパイアに当たった場合。ただしアンパイアのユニフォームに引っ掛かった場合はデッドボールである。
(b)ウィケットが壊れたり倒れた場合(バッツマンがそれによってアウトにならなければデッドボールではない)。
(c)アピールが認められなかった場合。
(d)ボーラーの投球の際もしくはランニングの際に、ウィケットが偶然壊れた場合。
(e)アンパイアが「ノーボール」か「ワイドボール」をコールした場合。
注意
(a)ボールの最終的な補球
上記1(a)ボールの最終的な補球についての判断はアンパイアが行う。
(b)「デッドボール」のコールがあった場合
(i)
ストライカーが投球を受ける前に「デッドボール」のコールがあった場合、ボーラーはもう一度その投球を行う。
(ii)
ストライカーが投球を受けた後に「デッドボール」のコールがあった場合、「ノーボール」や「ワイド」でなければ改めてそのボールを投げるということはない。

LAW24 ノーボール

1.
投球の方法
アンパイアはストライカーに対してボーラーの投球方法(オーバーかラウンド・ザ・ウィケット、オーバーかアンダーアーム)を知らせなければならない。ボーラーは投球方法を変更する際、そのことをあらかじめアンパイアに知らせなければアンフェアとみなされる。この場合アンパイアは「ノーボール」のコールとシグナルをする。
2.
正しい投球−腕
正しい投球はスローイングではなくボーリングによるものである。下記注意(a)参照。これに基づきスローイングが行われた場合、アンパイアはすぐに「ノーボール」のコールとシグナルをする。
3.
正しい投球−足
投球の際ボーラーの足が以下の条件に当てはまらない場合、ボーラーズエンドのアンパイアは「ノーボール」のコールとシグナルをする。
(a)ボーラーのバックフットがリターンクリース、もしくはその延長線の内側(ラインにタッチするとノーボールとなる)にある場合。
(b)ボーラーのフロントフットの一部が地面に着いているかいないかにかかわらず、ポッピングクリースの後方にある場合。
4.
ボーラーが投球前にストライカーズウィケットにスローイングした場合
ボーラーが投球前、ランアウトをとるためにストライカーズウィケットにスローイングした場合、アンパイアは「ノーボール」のコールとシグナルをする。LAW42.12(バッツマンが不当にランを狙う行為)、LAW38(ランアウト)参照。
5.
ボーラーが投球前にノンストライカーをランアウトにしようとした場合
ボーラーが投球前、ノンストライカーをランアウトにしようとした場合、それによるランは認められノーボールとして記録される。この場合、投球数としてカウントせず、アンパイアは「ノーボール」のコールをしない。LAW42.12(バッツマンが不当にランを狙う行為)参照。
6.
ウィケットキーパーあるいはフィールダーによる規則違反
ウィケットキーパーがLAW40.1(ウィケットキーパーのポジション)に、フィールダーがLAW41.2(オンサイドフィールダーの人数制限)かもしくはLAW41.3(フィールダーのポジション)に違反した場合、アンパイアは「ノーボール」のコールとシグナルをする。
7.
コールの取消し
フェアプレーとアンフェアプレーの判断はアンパイアのみが行う。
8.
ペナルティー
なんらかの理由でボールがボーラーの手から離れなかった場合、アンパイアは「ノーボール」のコールを取り消す。LAW23.2(いずれかのアンパイアが「デッドボール」のコールとシグナルをする場合)参照。
9.
ノーボールから得たラン
ストライカーはノーボールを打ってもよく、そのときのランはストライカーのランとして記録される。他の方法で得たランはノーボールとして記録される。
10.
ノーボールでのアウト
ノーボールの場合でもストライカーがLAW34(ヒット・ザ・ボール・トワイス)で、またいずれかのバッツマンがランアウト、もしくはLAW33(ハンドルド・ザ・ボール)、LAW37(オブストラクティング・ザ・フィールド)でアウトになることがある。
11.
ノーボールでアウトになったときのラン
ノーボールの際にバッツマンがアウトになっても他の方法で得点されないかぎり、ペナルティーによる1ランが記録される。
注意
(a)スローの定義
ボーリングアームは腰の横の位置から、ボールを離す瞬間までその形を変えず(伸ばしたままか曲げたまま)に投球しないとスローとみなされる。ただし手首はこのかぎりではない。
(b)ノーボールは投球数としてカウントしない
ノーボールは投球数としてカウントしない。LAW22.3(ノーボール、ワイドボール)参照。

LAW25 ワイドボール

1.
ワイドの判定
投球がストライカーの通常のガードポジションから離れて非常に高い所や横にそれ、ストライカーのバットから届かない位置を通ったとアンパイアが判断した場合、アンパイアはボールがストライカーズウィケットを通過した時点で「ワイドボール」のコールとシグナルをする。
以下の場合アンパイアはワイドボールと判断してはならない。
(a)ストライカーがガードポジションを離れてボールの届かない位置に動いた場合。
(b)ストライカーがガードポジションを離れてボールの届く位置に動いた場合。
2.
ペナルティー
他の方法で得点されなかった場合は、ワイドボールのペナルティーによる1ランが記録される。
3.
ボールがストライカーの前で止まった場合
ボールがストライカーズウィケットのラインの前で止まったとアンパイアが判断した場合、「ワイドボール」はコールされない。この場合、ストライカーはフィールディングサイドに妨害されずにそのボールを1回だけ打つ権利があるが、妨害があった場合、アンパイアはボールをもとの位置に置き、フィールディングサイドにフィールダーをもとの位置に戻すよう指示を与える。
ストライカーがそのボールに対して打つ気のないことが明らかになるか、ボールを打つのに失敗した場合、アンパイアはすぐに「デッドボール」のコールとシグナルをする。
4.
コールの取消し
「ワイドボール」のコールの後、ストライカーがボールを打った場合、アンパイアはコールを取り消す。
5.
ボールはデッドではない
「ワイドボール」のコールがあってもボールはデッドではない。LAW23.4(ボールがデッドでないとき)参照。
6.
ワイドボールから得たラン
ワイドボールから得たランはノーボールでなければワイドボールとして記録されるが、ランがなかった場合はペナルティーとしての1ランが記録される。
7.
ワイドボールでのアウト
ワイドボールの場合でもストライカーがLAW35(ヒットウィケット)、LAW39(スタンプト)で、またいずれかのバッツマンがランアウト、もしくはLAW33(ハンドルド・ザ・ボール)、LAW37(オブストラクティング・ザ・フィールド)でアウトになることがある。
8.
ワイドボールでアウトになったときのラン
ワイドボールの際にバッツマンがアウトになっても他の方法で得点されないかぎり、ペナルティーによる1ランが記録される。
注意 (a)ワイドボールは投球数としてカウントしない。LAW22.3(ノーボールかワイドボール)参照。

LAW26 バイおよびレッグバイ

1.
バイ
投球が「ワイドボール」、「ノーボール」のいずれともコールされず、ストライカーのバットや身体にタッチせず通過し、その結果得点した場合、アンパイアは「バイ」のシグナルをし、そのランはバッティングサイドの得点として記録される。
2.
レッグバイ
  投球が「ワイドボール」「ノーボール」のいずれともコールされず、ストライカーのバットかバットを持った手を除く身体やユニフォームにやむを得ず当たり、その結果得点した場合、アンパイアは「レッグバイ」のシグナルをし、そのランはバッティングサイドの得点として記録される。
レッグバイはアンパイアが以下のように判断した場合のみ認められる。
(a)バットでプレーしようとした場合。
(b)ボールが当たるのを防ごうとした場合。
3.
レッグバイが認められない場合
上記1(a)(b)以外で投球がストライカーに当たった後、1stランが成立した時点か、バッツマンにランを狙う気がないことが明らかに分かった時点、もしくはボールがバウンダリーに到達した時点ですぐにアンパイアは「デッドボール」のコールとシグナルをする。
このときのランは認められず、バッツマンはもとのエンドに戻される。

LAW27 アピール

1.
アピールのタイミング
アンパイアは、ボーラーが次のボーリングのためにランアップを始める前までにフィールディングサイドのアピールがないかぎり、バッツマンにアウトの判定をすることはない。LAW23.1(g)(ボールがデッドになる場合)に基づいて「オーバー」がコールされボールがデッドになったとしても、「タイム」がコールされていなければアピールは有効となる。LAW17.1(タイムのコール)参照。
2.
「HOW'S THAT?」
「HOW'S THAT?」というアピールはどのようなアウトに対しても有効である。
3.
アピールに対する判定
ボーラーズエンドのアンパイアは、LAW35(ヒットウィケット)、LAW39(スタンプト)、LAW38(ランアウト)がストライカーズエンドで起こった場合を除き、ストライカーズエンドのアンパイアより先にアピールに対して判定をしなければならない。
どちらかのアンパイアがノットアウトの判定をしても、上記1(アピールのタイミング)に基づいてもう一方のアンパイアに対してアピールすることができる。この場合そのアンパイアは自分が回答できる範囲であれば判定をする。
4.
アンパイアによる判定の確認
アンパイアはもう一方のアンパイアがより判定しやすい位置にいた場合、判定の確認をすることができる。その結果、判定に少しでも疑いがある場合は、バッツマンに対して有利な方を優先する。
5.
バッツマンの判断ミスによって自らウィケットを離れた場合
バッツマンが判断ミスによって自らウィケットを離れた際に、アンパイアがそのバッツマンはアウトではないと判定した場合、アンパイアはそのことをバッツマンに知らせる。
6.
アンパイアの判定
アンパイアの判定は最終的なものであるが、なるべく早いうちであればその判定を変えることができる。
7.
アピールの取消し
フィールディングサイドのキャプテンは、自らアンパイアに対しアピールの取消を要求することができる。ただしこの要求はアウトの判定をされたバッツマンがプレーエリアから退場する前までに行い、これが認められた場合、アンパイアはその判定を取り消す。

LAW28 ウィケットダウン

1.
ウィケットダウン
  以下の場合ウィケットダウンとなる。
(a)ボールかストライカーのバットあるいは身体が、どちらかのベイルをスタンプ上から落とした場合。ただし一瞬であるかないかにかかわらず、ベイルがスタンプ上で動いた後もとに戻った場合、ウィケットダウンにはならないが、ベイルが落ちてスタンプ間に挟まった場合はウィケットダウンとなる。
(b)フィールダーがボールを持った手や腕を使ってスタンプからベイルを落とした場合。
(c)両方のベイルが落ちている際に、ボールがスタンプ(1本でよい)を完全に倒すか、フィールダーがボールを持った手(両手でもよい)や腕を使ってスタンプ(1本でよい)を完全に倒したり引き抜いた場合。
2.
片方のベイルが落ちている場合
片方のベイルが落ちているときは、上記1に基づいて残りのベイルを落とすか、スタンプを完全に倒したり、引き抜いた場合ウィケットダウンとなる。
3.
全てのスタンプが倒れている場合
全てのスタンプが倒れている場合、フィールダーはウィケットダウンのためにスタンプ(1本でよい)をもとに戻すことができる。
4.
ベイルを使わない場合
強風のためLAW8注意(a)(ベイルを使わない場合)に基づいてベイルを使わない事に合意した場合、ウィケットが倒れたかの判定はアンパイアによる。この状況下ではスタンプが完全に倒れていなくてもアンパイアの判定によってアウトになることがある。
注意
(a)ウィケットを直す
インプレー中にウィケットが倒れた場合、ウィケットを直すことはアンパイアの役割ではない。LAW23(デッドボール)参照。この場合、フィールダーがウィケットを直す。

LAW29 バッツマン・アウト・オブ・ヒズ・グラウンド

1.
アウト・オブ・ヒズ・グラウンドになる場合
バッツマンの身体か手に持ったバットの一部が、ポッピングクリース後方にグラウンディングしていない場合。

LAW30 ボウルド

1.
ボウルドアウト
ストライカーは以下の場合、ボウルドアウトになる。
(a)投球がウィケットを倒した場合(ボールがバットや身体に接触した後ウィケットが倒れてもアウトである)。
(b)ストライカーの打球やキックしたボールが、ストロークの終了前か、ウィケットダウンを防ごうとした結果、ウィケットを倒した場合。LAW34.1(ヒット・ザ・ボール・トワイス)参照。
注意
(a)ボウルドアウト L.B.W.でない場合
ストライカーに対する判定がLAW36(L.B.W.)に基づき
L.B.W.であっても、ボールがウィケットを倒せばボウルドアウトになる。

LAW31 タイムドアウト

1.
タイムドアウト
  次のバッツマンが意図的にグラウンドに入るのを2分以上遅らせた場合、そのバッツマンはアウトとなるが、その2分間とはウィケットダウンがあった時点から次のバッツマンがプレーエリア内に足を踏み入れるまでの時間をいう。
ボーラーズエンドのアンパイアが、次のバッツマンが意図的にグラウンドに入るのを遅らせたと判断し、フィールディングサイドのアピールがあった場合に、そのバッツマンはアウトとなる。
2.
時間延長
アンパイアが時間遅延を調べるためにかかった時間は、予定試合時間に加えられる。
注意
(a)スコアブックへの記録
 バッツマンがこの規則違反でアウトになった場合、スコアブックに「タイムドアウト」と記録されるが、この場合ボーラーの奪ウィケットにはならない。
(b)プレーエリア内でのバッツマンの交代
 両キャプテンはバッツマンの交代をプレーエリア内で行うよう自チームの選手に対して指示を与える。

LAW32 コート

1.
コートアウト
  投球がストライカーのバット、あるいはバットを握った手の手首より下かグラブに当たった後、フィールダーがそのボールをグラウンドにタッチする前にキャッチした場合、ストライカーはアウトとなる。
2.
フェアキャッチ
以下の場合、フェアキャッチが認められる。
(a)フィールダーがキャッチのための動作の間、プレーエリア内にいた場合。
(i)
キャッチのための動作というのは、ボールにタッチしてからしっかりとボールをコントロールできるように保持することである。
(ii)
プレーエリア内にいるためには、フィールダーの身体の一部がバウンダリーラインにタッチあるいはグラウ ンディングしたり、ラインを越えてグラウンディングしてはならない。バウンダリーがフェンスまたはボー ドの場合、それを越えてグラウンディングしてはならないが、キャッチのためにそれにタッチしたりのってもかまわない。
(b)ボールがフィールダーの身体でキャッチされたり偶然引っ掛かった場合、もしくはウィケットキーパーのパッツに引っ掛かった場合。ただしフィールダーの着用しているヘルメットに引っ掛かった場合コートにならず、アンパイアは「デッドボール」のコールとシグナルをする。LAW23(デッドボール)参照。
(c)ボールをキャッチした手が地面に触れたとしても、ボールそのものが地面に触れていなければフェアキャッチとなる。
(d)ストライカーが規則に従って2回打った打球をフィールダーがキャッチした場合。
(e)フィールダーがアンパイアや別のフィールダー、ノンストライカーに当たったボールをキャッチした場合はフェアキャッチになるが、フィールダーの着用しているヘルメットに当たったボールをキャッチしてもフェアキャッチは認められない。
(f)試合前、バウンダリーとして同意しなかったプレーエリア内の障害物に当たったボールをキャッチした場合、フェアキャッチとなる。
3.
ランの記録
コートアウトの場合、ランは記録されない。
注意
(a)バウンダリーでのキャッチ
ボールを持ったフィールダーの身体の一部が、バウンダリーラインにタッチしたり、それを越えてグラウンディングした場合、6ランが記録される。
(b)ボールがインプレーの場合
フィールダーがバウンダリーを横切る前にボールを離した場合、インプレーとみなされるので、別のフィールダーによってそのボールがキャッチされるとアウトになる。ただし自分がプレーエリア内に戻ってそのボールをキャッチしてもコートにはならない。

LAW33 ハンドルド・ザ・ボール

1.
ハンドルド・ザ・ボール
いずれかのバッツマンが、フィールディングサイドの同意のないままバットを持っていない手を使い、故意にボールに触れた場合、アピールがあればアウトとなる。
注意
(a)スコアブックへの記録
バッツマンがこの規則違反でアウトになった場合、スコアブックに「ハンドルド・ザ・ボール」と記録されるが、この場合ボーラーの奪ウィケットにはならない。

LAW34 ヒット・ザ・ボール・トワイス

1.
ヒット・ザ・ボール・トワイス
  ストライカーが一度打ったり、身体の一部で止めたボールを、ウィケットを守るという目的以外で故意にもう一度打ったり、身体の一部に当てた場合、アピールがあればアウトとなる。ウィケットを守る目的であれば、バッツマンはバット、手以外の身体の一部を使うことができる。LAW37.2(コートを妨害した場合)参照。
この規則の目的のため、バットを持った手がバットの一部とみなされる。
2.
フィールダーへの返球
ストライカーがフィールディングサイドの同意なしに、バットや身体を使ってボールをフィールダーに返した場合、アピールがあればアウトとなる。
3.
規則に従って2回打った場合の得点
規則に従って2回打った場合、オーバースローあるいはペナルティー以外のランは記録されない。LAW41(フィールダー)参照。
注意
(a)スコアブックへの記録
ストライカーがこの規則違反でアウトになった場合、スコアブックに「ヒット・ザ・ボール・トワイス」と記録されるが、この場合ボーラーの奪ウィケットにはならない。
(b)バッツマンの得点
上記3に基づくオーバースローやペナルティーによるランは、最初にストライカーのバットに当たった場合、ストライカーのランになり、それ以外はエキストラとなる。

LAW35 ヒットウィケット

1.
ヒットウィケット
ストライカーがインプレー中、以下の条件に当てはまる場合アウトとなる。
(a)ボーラーがランアップを始める時点か、投球動作に入った時点から、ストライカーが1stランを試みようとする間に、ストライカーがボールに対してプレーした後もしくはプレー中、身体の一部がバッティング動作によってウィケットを倒した場合。
(b)LAW34.1(ヒット・ザ・ボール・トワイス)に基づき、ストライカーがウィケットを守る目的で2度目のストロークを試みた際にウィケットを倒した場合。
注意
(a)ヒットウィケットでない場合
以下の場合はヒットウィケットではない。
(i)
ストライカーがボールに対してプレーした後、1stランを試みようとする以外のランニング動作中か、ランアウト、スタンプトを防ぐ際にウィケットを倒した場合。
(ii)
ボーラーがランアップや投球動作を始めたにもかかわらず、投球しなかったときにウィケットが倒れた場合、アンパイアは「デッドボール」のコールとシグナルをする。
(iii)
ストライカーがフィールダーからの返球を避ける際にウィケットを倒した場合。

LAW36 L.B.W.

1.
L.B.W.
以下の場合、ストライカーはL.B.W.でアウトとなる。
(a)ストライカーがボールに対してプレーした場合
ボールの最初に接触した位置が、ストライカーのバットおよびバットを持った手以外のストライカーの身体、プロテクター、ユニフォームの一部で、かつバッツマンに妨害されなければウィケットを倒したであろうと思われる投球の、
(i)
バウンドした地点がボーラーズウィケットとストライカーズウィケットを結ぶライン内か、ストライカーズウィケットのオフサイドであった場合、もしくはフルピッチ(ノーバウンド)であれば、バウンドするであろうと思われる地点が両ウィケット間を結ぶライン内であって、
(ii)
接触した位置が両ウィケット間を結ぶライン内であった場合(ベイルより上で接触してアウトになることもあり得る)。
(b)ストライカーがボールに対してプレーしなかった場合
ストライカーがボールに対してプレーしなかったとアンパイアが判断した場合、ボールとの接触地点がオフスタンプの外側でも上記(a)が適用されアウトとなる。

LAW37 オブストラクティング・ザ・フィールド

1.
故意の妨害
  いずれかのバッツマンが言動でフィールディングサイドを故意に妨害した場合、アピールがあればアウトとなる。
2.
コートを妨害した場合
ストライカーはいずれかのバッツマンがフィールディングサイドのキャッチを故意に妨害した場合、アピールによりアウトとなる。
さらにストライカーがLAW34(ヒット・ザ・ボール・トワイス)に従ってウィケットを守る際、妨害をした場合もアウトになる。LAW34.1(ヒット・ザ・ボール・トワイス)参照。
注意
(a)偶然の妨害
アンパイアは妨害が故意であるかどうかを判定するが、フィールダーからの返球がバッツマンのランニング中に偶然妨害されてもアウトにならない。
(b)スコアブックへの記録
バッツマンがこの規則違反でアウトになった場合、スコアブックに「オブストラクティング・ザ・フィールド」と記録されるが、この場合ボーラーの奪ウィケットにはならない。

LAW38 ランアウト

1.
ランアウト
  いずれかのバッツマンがランニング中、もしくはインプレー中(LAW39「スタンプト」の場合は除く)、ポッピングクリース後方のセーフティーエリアから離れている際に、フィールディングサイドによってウィケットが倒された場合、アウトとなる。バッツマンがセーフティーエリアにグラウンディングした後、返球によるケガを防ぐためにエリアから離れた際、ウィケットが倒された場合はアウトにならない。
2.
「ノーボール」のコールがあった場合
「ノーボール」がコールされた場合、ストライカーがランを試みようとしないかぎり、ランアウトになることはない。
3.
どちらのバッツマンがアウトになるか
ランニング中バッツマンが交差していた場合、倒されたウィケットに向かっているバッツマンがアウトになり、交差していなかった場合は、倒されたウィケットを離れたバッツマンがアウトとなる。いずれかのバッツマンがセーフティーエリアを動かずにいたり、一度出て戻ったところへもう一方のバッツマンがきて一緒になった場合、バッツマンのいない方のウィケットが倒されれば、そのウィケットを離れたバッツマンがアウトになる。
4.
ランの記録
ランアウトの場合、アウトになったときのランだけが記録されない。ただし負傷したバッツマンがランアウトになった場合、全てのランは認められない。LAW2.7(負傷したバッツマン、代走の規則違反)参照。
注意
(a)ストライカーのプレーしたボールが反対側のウィケットを倒した場合
ストライカーのプレーしたボールが反対側のウィケットを倒した場合、そのボールがウィケットを倒す前にフィールダーに触れていればアウトになる。
(b)スコアブックへの記録
バッツマンがこの規則違反でアウトになった場合、「ランアウト」と記録されるが、この場合ボーラーの奪ウィケットにはならない。
(c)フィールダーのヘルメットからのリバウンドボール
バッツマンの打球や、身体に当たったボールがフィールダーのヘルメットに当たり、そのリバウンドボールがいずれかのバッツマンのウィケットを倒した場合は、 "Not Out" となる。

LAW39 スタンプト

1.
スタンプト
  ストライカーがノーボールでない投球を受けている間にセーフティーエリアから出た場合(ランニングによるものではなく)、ウィケットキーパーが単独でストライカーズウィケットを倒せばアウトになる。
2.
ウィケットキーパーのアクション
ウィケットキーパーは、投球がストライカーのバットか身体に触れた場合にかぎって、ウィケットの前でボールをキャッチし、スタンプを狙うことができる。
注意
(a)ウィケットキーパーからのリバウンドボール
ストライカーは上記1の状況の中で、ウィケットキーパーの身体、プロテクターからのリバウンドボールや、ウィケットキーパーがキックしたり投げたボールによってウィケットが倒された場合アウトとなる。

LAW40 ウィケットキーパー

1.
ウィケットキーパーのポジション
  ウィケットキーパーは、投球がストライカーのバット、身体に当たるか、ウィケットを通過するか、もしくはストライカーがランを狙う瞬間まで、完全にウィケットの後方にいなければならない。
ウィケットキーパーがこの規則に違反した場合、ストライカーズエンドのアンパイアは違反があった後すぐに「ノーボール」のコールとシグナルをする。
2.
ウィケットキーパーのアクションの制限
LAW33(ハンドルド・ザ・ボール)、LAW34(ヒット・ザ・ボール・トワイス)、LAW37(オブストラクティング・ザ・フィールド)LAW38(ランアウト)を除き、ウィケットキーパーがストライカーの打つ権利やウィケットを守る権利を妨害した場合はアウトにならない。
3.
ストライカーによるウィケットキーパーに対する妨害
LAW37.2(コートを妨害した場合)の場合を除き、規則にしたがってウィケットを守る際に、ストライカーがウィケットキーパーを妨害してもアウトにならない。

LAW41 フィールダー

1.
フィールディング・ザ・ボール
  フィールダーは身体のどの部分でボールを止めてもよいが、故意にそれ以外の方法で止めた場合、5ランがバッティングサイドの得点に加えられる。得点がなかった場合はペナルティーとして5ランがバッティングサイドに与えられる。この場合直前のランはバッツマンが交差した時点で認められる。ランがストライカーのヒットによるものであればストライカーに、そうでなければそれぞれのケースにより、バイ、レッグバイ、ノーボール、ワイドボールとして記録される。
2.
オンサイドフィールダーの人数制限
ポッピングクリース後方のオンサイドフィールダーの数は、ボーラーの投球がされる瞬間まで3人以上であってはならない(ただしウィケットキーパーを除く)。この規則違反があった場合、ストライカーズエンドのアンパイアはすぐに「ノーボール」のコールとシグナルをする。
3.
フィールダーのポジション
インプレー中は、投球がストライカーのバットか身体に当たるか、ストライカーのバットを通過する瞬間まで、ボーラー以外のフィールダーの身体の一部がピッチ(長さ20.12m、幅3.05m)を越えて中に入ってはならない。この規則違反があった場合、ボーラーズエンドのアンパイアはすぐに「ノーボール」のコールとシグナルをする。LAW40.1(ウィケットキーパーのポジション)参照。
4.
フィールダーのヘルメット
フィールダーがヘルメットを使用せずグラウンド内に置く場合は、ウィケットキーパーの後方に置かなければならない。インプレー中ボールがヘルメットに当たった場合、LAW41.1および注意(a)と同様にペナルティーとして5ランがバッティングサイドに与えられる。
注意
(a)バッツマンのエンドの交代
上記1の5ランはペナルティーなので、バッツマンはエンドを交代しない。

LAW42 アンフェアプレー

1.
キャプテンの責任
両キャプテンはゲームがクリケット精神、LAWSに基づいて行われることについて常に責任を負っている。
2.
アンパイアの責任
フェアプレーとアンフェアプレーについての判定は、アンパイアのみが行う。
3.
アンパイアによる試合中断
アンフェアプレーがあった場合、アンパイアはアピールによらず「デッドボール」のコールとシグナルをして試合を中断するが、LAWSによって定められている場合以外、アンパイアは試合の進行を中断させてはならない。
4.
ボールのシーム(縫い目)を押し上げる行為
選手はどんな理由があってもボールのシームを押し上げてはならない。違反があった場合、アンパイアはボールを同程度のコンディションのものと交換する。注意(a)参照。
5.
ボールのコンディションを変える行為
時間浪費にならない範囲でフィールダーがボールを磨くことはできるが、人工の素材を使用したり、地面にこすりつけたり、その他の方法でボールのコンディションを変えてはならない。
この規則違反があった場合、アンパイアは協議した後そのボールを同程度のコンディションのものと交換する。
この規則はフィールダーがボールを乾かしたり、泥を取ったりすることを禁止するものではない。注意(b)参照。
6.
ストライカーに対する妨害
フィールダーがストライカーのバッティングの際に、言動でそのストライカーを妨害したとアンパイアが判断した場合、「デッドボール」のコールとシグナルをする。
7.
バッツマンのランニングに対する妨害
フィールダーが故意にランナーを妨害した場合、アンパイアは「デッドボール」のコールとシグナルをする。この場合、妨害があった時点でのラン(進行中のランも含む)やバウンダリーは認められる。
8.
ファースト・ショート・ピッチド・ボール
ボーラーがストライカーを脅かすためにファースト・ショート・ピッチド・ボールを投球したとボーラーズエンドのアンパイアが判断した場合、それはアンフェアプレーとみなされる。注意(d)参照。
アンパイアはストライカーの技術を考慮に入れて、投球の長さ、高さ、方向がそのストライカーにとって危険であり、かつ故意に投げられたものと判断した場合、ファースト・ショート・ピッチド・ボールの判定をする。
このようなアンフェアな投球があった場合、ボーラーズエンドのアンパイアは以下のように処置する。
(a)アンパイアは「ノーボール」のコールとシグナルをして、まずボーラーに警告を与える。さらにそのことをもう一方のアンパイア、フィールディングサイドのキャプテン、バッツマンに知らせる。
(b)この警告が無視された場合、アンパイアは上記の処置をもう一度繰り返し、ボーラーに対してこれが最後の警告であることを知らせる。
(c)これらの警告はそのボーラーがエンドを交代した後も有効である。
(d)上記の警告が無視された場合、ボーラーズエンドのアンパイアは以下のように処置する。
(i)
すぐに「ノーボール」のコールとシグナルをし、ボールがデッドになった時点で、そのボーラーを別のボーラーと交代させオーバーを続行するが、交代するボーラーはその前後のオーバーを連続して投球することはできない。LAW22.7(オーバー途中でボーラーが投球できなくなった場合)参照。
(ii)
違反をしたボーラーの同イニングでの投球を禁止する。
(iii)
インターバルのため選手がフィールドから離れたらすぐに、バッティングサイドのキャプテンに何が起こったのかを知らせる。
(iv)
フィールディングサイドの責任者、および試合主催者にアンフェアプレーのあったことを報告する。その後フィールディングサイドの責任者ならびに試合主催者は、そのボーラーに対して適当な制裁を与える。
9.
ファースト・ハイ・フル・ピッチ(1993年5月5日、MCC特別総会にて改正承認)
ファースト・ハイ・フル・ピッチはアンフェアである。
ファースト・ハイ・フル・ピッチとは、投球がストライカーがクリースで直立した状態における腰の位置より上にノーバウンドで通過した、もしくは通過したであろうと思われる投球のことである。この場合、いずれかのアンパイアは「ノーボール」のコールとシグナルをする。その後の警告、報告等の処置はLAW42.8(ファースト・ショート・ピッチド・ボール)と同様である。
10.
時間浪費
時間浪費はアンフェアである。
(a)フィールディングサイドのキャプテンが時間浪費をしたり、自チームの選手に対してそうするように指示を与えた場合、ボーラーズエンドのアンパイアは以下のように処置する。
(i) まずフィールディングサイドのキャプテンに警告を与え、もう一方のアンパイアに何が起こったのかを知らせる。
(ii) この警告が無視された場合、上記の警告を繰り返しフィールディングサイドのキャプテンにこれが最後の警告であることを知らせる。
(iii) 選手がインターバルのため、フィールドから離れたらすぐにそのことをバッティングサイドのキャプテンに知らせる。
(iv) これらの警告が無視された場合、フィールディングサイドの責任者、および試合主催者にそのことを報告する。その後フィールディングサイドの責任者ならびに試合主催者は、そのキャプテン、選手に対して適当な制裁を与える。
(b)ボーラーが投球の際、必要以上の時間浪費をした場合、ボーラーズエンドのアンパイアが行う「ノーボール」のコール、その他の警告、報告等の処置は上記と同様である。
(c)バッツマンがLAW31(タイムドアウト)以外で時間浪費をした場合、ボーラーズエンドのアンパイアは以下の処置を行う。
(i) まずバッツマンに警告を与え、もう一方のアンパイアにそのことを知らせる。選手がインターバルのためグラウンドから離れたらすぐにバッティングサイドのキャプテンに何が起こったのかを知らせる。
(ii) この警告が無視された場合、上記の警告を繰り返しバッツマンにこれが最後の警告であることを知らせる。
(iii) 選手がインターバルのためフィールドから離れたらすぐにそのことを両キャプテンに報告する。
(iv) これらの警告が無視された場合、バッティングサイドの責任者、および試合主催者にそのことを報告する。 その後バッティングサイドの責任者ならびに試合主催者は、その選手に対して適当な制裁を与える。
11.
選手がピッチにダメージを与える行為
アンパイアは、いずれかのサイドのボーラーに有利となるようピッチにダメージを与える行為を禁止する。注意(c)参照。
(a)フィールディングサイドの選手がピッチにダメージを与えた場合、上記10(a)と同様に処置する。
(b)ボーラーが投球後のフォロースルーの動作中、ピッチにダメージを与えた場合、ボーラーズエンドのアンパイアはまずそのボーラーに警告を与える。この警告が無視された場合、「ノーボール」のコール、その他の警告、報告等の処置は上記と同様である。
(c)バッツマンがピッチにダメージを与えた場合、ボーラーズエンドのアンパイアは上記10(c)と同様に処置する。
12.
バッツマンが不当にランを狙う行為
  ボーラーがランアップしている間にバッツマンがランを狙おうとする行為は、ボーラーがそのバッツマンをランアウトにしようとしないかぎりアンフェアとなる。LAW24.4(ボーラーが投球前にストライカーズウィケットにスローイングした場合)、LAW24.5(ボーラーが投球前にノンストライカーをランアウトにしようとした場合)参照。アンパイアはこの場合、すぐに「デッドボール」のコールとシグナルをし、バッツマンをもとのエンドに戻す。
13.
選手のマナー
  選手がアンパイアの指示に従わず、アンパイアに対して言動で異議を唱えたり、そういう態度を示したり、あるいは試合に悪影響を与えるような行為をした場合、まずアンパイアはそのことをもう一方のアンパイアに知らせた後、そのチームのキャプテンに対してその選手に警告を与えるよう求める。この警告が無視された場合、アンパイアはすぐにそのことをそのチームの責任者および試合主催者に報告する。その後そのチームの責任者ならびに試合主催者はその選手に対して適当な制裁を与える。
注意

(a)ボールのコンディション
アンパイアは試合中、できるかぎりにおいてボールのコンディションを調べる必要がある。
(b)濡れたボールに対する処置
試合中、濡れたボールをタオルやおが屑を使って乾かしてもよい。
(c)デンジャーエリア
ピッチ上のデンジャーエリア(両ポッピングクリースの前方1.22m地点のミドルウィケットを中心とする幅60.96cmを結ぶライン内)は投球の際、ボーラーによってダメージが与えられないようにする。
(d)ファースト・ショート・ピッチド・ボール
ファースト・ショート・ピッチド・ボールとは、投球が手前でバウンドした結果、ストライカーの通常のバッティングポジションにおける肩の位置より高い所を通過した、もしくは通過したであろうと思われる投球のことである。
(e)バッツマンによる時間浪費
例外的な状況を除き、バッツマンはボーラーがランアップを開始した時点で、打つ準備を整えていなければならない。