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ペアーズクリケット編


『用語説明』
このゲームには耳慣れない用語がたくさん出てきますから、最初に説明しておきます。  
1.ウィケット 三柱門(台座に3本の棒をさしてあるもの)/このゲームで最も重要な用具
2.ピッチ 投球や打撃をするプレイングゾーンのこと
3.ラン 得点をするために走ること/得点そのものの意味も持つ
4.バウンダリー プレイングエリアの外周境界線(この中でゲームをします)
5.オーバー 投手の投げる球数の単位のこと/1オーバー=6球
 
 ゲーム形式
ペア対抗です。
打撃側と守備側に分かれてプレイするイニング制で、得点(ラン)を競い合います。
全ての打者が規定投球数を打撃し終えたら攻守交代です。
基本的には1イニングゲームですが、時間が許せばイニングを増やしてもかまいません。
 用意するもの
  イージークリケットキット
 人数
1チーム6人から12人くらいまでが適当で、できれば偶数で行うのが理想的です。
 プレイングエリア
  屋外でも屋内でも整えられた平面があればどこでも大丈夫です。
ピッチ(打ったり投げたりする場所)をプレイングエリアの中央に作ります。
ピッチは12mから16mくらいが適当です。
集まったメンバーの体力や技術によって、また行う場所などから判断して長さは決めましょう。
1組のウィケットをピッチの各エンド(両端)に向かい合わせに設置します。
バウンダリー(境界線)は、屋外の場合はラインでマークします(ラインが引けない場合、あるいはラインだけでは見にくい場合はそのライン上にコーンと呼ばれる三角形の目印を置いたり、またはライン上に旗を立てたりします)。
ウィケットからバウンダリーまでの距離は最大40mとしましょう。フェンスがある場合はそれをバウンダリーにするとよいでしょう。屋内の場合はあえてバウンダリーを必要とせず、壁をバウンダリーとしたり、あるいは壁もプレイングエリアとします。
プレイングエリアの全体の広さは、人数や場所の状況に応じて決めましょう。
playing area
 投手(ボウラー)
投手は上投げもしくは下投げで投球します。
正式には肘を伸ばして投げますが、まずは自由に投げてください。
投手の第1目的は、打撃当事者(今、打っている人)側にあるウィケットを投球によって倒すことにあります。
ボールは打者に届く前にバウンドさせる必要があります(それはノーバウンドで投げるとたいへん打たれやすくなるからです)。ただし、バウンドしなくてもペナルティーはありません。
投手は6球(1オーバー)投げたら別の人と交代しなければなりません。
全てのプレイヤーが投手となり投球する機会を得ます。
各チームは、事前に取り決められたオーバー数を投げます(人数分のオーバー数が適当です。打者数×6球=1ペアに対して2オーバー)。
打者にボールが届かなかったり、打者の肩口を通過したようなボール(暴投)は「ワイド」と呼ばれ、打者側に1球につき1点が与えられます。
投球は、どちらか一方のウィケットエンドからすることに決めておきましょう。
投球位置は基本的にはウィケットの真横ですが、もし打者に届きにくかったら、投球位置を前にしてもかまいません。
bound
 守備・野手
  クリケットでは360度どの方向へもボールを打ってよいので、野手はピッチの回りにまんべんなく位置する必要があります。捕手以外にも打者の後方に守る野手が必要になってくるのです。
グローブは用いず、素手でボールをつかみます。
 捕手(ウィケットキーパー)
  ウィケットの後方で、安全な場所に位置します。しかし、打者を通りすぎてくるボールをとめるのに十分な場所でなければなりません。
打者がバットを振ろうが振らなかろうが、または打者の体に当たったボールであっても(野球でいうデッドボールはクリケットにはありません)、捕手が後ろにボールをパスボールすると、打者はランすることができ、もし取り損ねたボールがそのままバウンダリーに達すると打撃側には1度に4点入ってしまいます。
  打者 (バッツマン)
 
打者はペア単位で出場し、おのおの向き合った各ウィケットエンドに立ち、互いに打撃当事者(いま打っている打者/ストライカーとも呼ぶ)とランナーの役割をはたします。
打撃当事者はバットの長さと同じ長さ程度、ウィケットの前に立つようにしましょう。ペアのパートナー(ノンストライカーとも呼ぶ)打撃当事者と向き合っている側、投手側のウィケットの横に立ちます。
打撃当事者の第一の目的は、投手の投げる球によって自分側にあるウィケットを倒されないように球をはじき返すことにあります。そして、チャンスがあれば得点すべくランを試みます。
 
各ペアは事前に取り決められたオーバー数をレシーブします(1ペアに対し2オーバー)。
その間、打者はいくらアウトになっても退場する必要はありません。ただし、アウト毎に1点が差し引かれます。
※ 1ペアに対するオーバー数やアウトに合った時の減点はその時々に仲間内で決めて構いません。
予定投球数が終了すれば、次のペアと交代です。打者は打撃した後、得点するために走るか走らないかを選択することができます。ランアウト(アウトの項3参照)になりそうなときには走らず、得点できると判断すれば走ります。
打者は360度どの方向へもボールをヒットすることができます。このゲームにファウルエリアはありません。
打者は2人共、常に自分のバットを持っておき、ランのときも持って走ります。
 パートナーとの打席の交代
  次のようなときには、パートナーと打席(ストライカーとノンストライカーの役割)を交代しましょう。
この制度は、全てのプレイヤーにできるだけ打撃の機会を均等にもたらせるために設けられたものです。
1. 打撃当事者が3球連続でレシーブしたとき
2. 打撃当事者がアウトになったとき
3.1オーバーが終了したとき
※上記の各項目もその時々に仲間内できめてかまいません。
なお、奇数が得点されたときには、必然的にパートナーが打席に立つことになります。偶数点が得点されたとき、もしくはランしなかったときには同じ打者が続けて立つことになります。(得点の項参照)
 得点 (ラン) の方法
得点は、打撃後もしくはパスボールの後、両方の打者が互いに反対エンドのウィケットのランによって完全に到達する(走り抜けてよい)ことによって1点が記録されます。往復すれば2点、1往復半で3点、2往復で4点となります。
打球がバウンダリーにゴロなどで達したヒッ
トは4点、打球が直接バウンダリーを越えたヒットは自動的に6点が記録されます。
屋内の場合は、壁からはね返ったボールはインプレイとしプレイを続けますが、特別に屋根や壁面などに4点ゾーン、6点ゾーンを設けるとおもしろいでしょう。
run
 アウト
1.Bowled 2.Caught
3.Run out 4.Hit Wicket
 勝敗
両方のチームが事前に取り決められたオーバー数を終了した時点で、得点のまさっているチームが勝つことになります。
アウト毎の減点ルールも忘れずに!
 アンパイア
  アンパイアの立つ位置は投手側ウィケットの後ろ側です。
特にアウトの判定をしっかり行ないましょう。
あくまでもプレイヤー本位に、みんなが楽しめるゲームの運営を心がけましょう。